マインドフルネスって、聞いた事ありますか?
アメリカでCBDオイルが流行っていることはご存知の方も多いと思います。実は、他にもマインドフルネスというものが注目されているそう。
恥ずかしながら私は、つい最近まで知りませんでした。それどころか、グーグルやアップルの社員研修で採用されているものと知って、「ああ、意識の高い人向けの、なにやら高尚なプログラムかな?」なんて思っていました。
ところがどっこい、いろいろと調べていくと、意識の低い?私のような人間にも、深く刺さることがたくさんあるのです。
……と、これはあんまり良い紹介ではありませんが、とにかく。マインドフルネスが、現代を生きるすべての人々にとって、より良い人生のための道しるべとなることは、間違いないと思うのです。
この記事ではCBDオイルからちょっと離れてマインドフルネスについてご紹介していきたいと思います。コーヒーブレイクとして続きを読んで頂ければ嬉しいです。
マインドフルネスの起源
インドで古くから行われてきた修行方法に「禅」というものがあります。それは中国やチベットに伝わり、日本へ渡って、さらには欧米へと広がりました。
マインドフルネスとは、アメリカに渡った「禅」から宗教的な要素がとり除かれ、誰でも気軽に実践できるように体系化されたもののようです。
いちばん有名なのは、Google社が独自に開発したSIY(Search Inside Yourselfの略)という社員研修プログラムで、2009年より実施されています。
これがGoogle社内で広く支持されたことによって、世界の名だたる大企業や経営者たちにも実践されはじめ、日本国内でも広がりはじめました。
2016年にはNHKの番組でもマインドフルネスが取り上げられ、今や一般の人にも広く認知されるようになってきています。
そもそもマインドフルネスとは?
このNHKの番組にも出演した、早稲田大学の熊野宏昭教授の話によれば、「マインドフルネスとは『今の瞬間』の現実に常に気づきを向け、その現実をあるがままに知覚し、それに対する思考や感情にとらわれないでいる心の持ち方」の事だそうです。
また、吉田昌生さんの著書「マインドフルネス瞑想入門」には、「マインドフルネスとは、今という瞬間に常に注意を向け、自分が感じている感覚や感情、思考を冷静に観察している心の状態のこと。つまり、『今、ここ』に100%心を向ける在り方のことです」と書かれています。
ちょっと難しいでしょうか?私はこれを「過去を悔やまず、未来を心配もせず、ただ今この瞬間を大切に生きましょう」というふうに解釈しました。
日常生活でのマインドフルネス
身近な例で考えてみましょう。
あなたは会社員で、ランチをとっているとします。そこは最近新しくできたお蕎麦屋さんで、本格的な手打ちのそばを食べられると同僚から聞き、今日初めて訪れてみました。
打ちたてのおそばを口に運びながら、あなたはいろいろなことを考えます。
(午前中の会議のあの発言はマズかったかな?)
(部長、朝から機嫌悪そうだったなあ。俺、何かやらかしてたらどうしよう)
(今日帰るまでに、あの件だけは業者と調整しておかないと)
(もし遅くなったら、また子供を風呂に入れてやる時間がないな。最近早く帰れてないし、嫁さん怒るだろうなあ)
あれこれ考えているうちに昼休みが終わりそうになり、せっかくのお蕎麦の味もよく分からないまま、あなたはそそくさと勘定をすませて会社に戻りました。どうです、結構よくある話でしょう?
上の( )内の思考で、あなたは「過去を悔やみ、未来を心配して」いますね。でもこれって、ほとんどの人が無意識にやっていることです。これを思考のクセと呼びましょう。
意識しなければ、それをやめようという発想にもなりませんよね。まず第一歩として、自分のそういった思考のクセに気付くことです。気付いたら、それを自分から切り離しましょう。
切り離すといっても、考えないようにするということとは少し違います。「自分は今、こういう思考にとらわれているな」と自覚し、そういう自分を客観的に見つめ、ただ受け入れるのです。
そして、今現在の気持ちや体験、この場合は打ちたてのおそばを味わうことですが、それのみに意識を向けるようにします。まあ平たく言えば、「余計なこと考えてないで、せっかくのお蕎麦の味を噛みしめましょう」ってことです。
まとめ
今回は、「マインドフルネス?名前だけは聞いたことあるけど…。」というかた向けに、どういうものか簡単にご紹介してみましたが、いかがでしたか?
マインドフルネスについて、もっと深く知りたい!という方や、瞑想などの具体的な実践方法を知りたいと思われた方は、山下良道さんや藤田一照さんのサイトをご覧になってみるといいかもしれません。
山下良道さんは、鎌倉で実際に坐禅・瞑想を体験できる場を提供しています。また藤田一照さんは、「オンライン坐禅会」という、Web上で坐禅について学び、実習できる場を配信していらっしゃいますよ。
最後に、赤塚不二夫さんの作品「天才バカボン」の登場人物であるバカボンのパパの言葉
には、こんなものがあります。
わしは バカボンのパパなのだ
この世は むずかしいのだ
わしの思うようにはならないのだ
でも わしは大丈夫なのだ
わしはいつでもわしなので 大丈夫なのだ
これでいいのだと言っているから 大丈夫なのだ
あなたも あなたで それでいいのだ
それでいいのだ
それでいいのだ
わしはリタイヤしたのだ
全ての心配から リタイヤしたのだ
だからわしは 疲れないのだ
どうだ これでいいのだ
これでいいのだ
やっぱりこれでいいのだ
全てを肯定し、あるがままに受け入れるバカボンのパパの姿は、マインドフルネスの極致と言えるのかもしれません。